Bitmexは 世界最大の仮想通貨FX取引所であり、国内では数倍のレバレッジ取引しか出来ないが、100倍までレバレッジ取引ができる。 Trading view(チャートサービス)では、検索欄に「BTCUST shorts」と入力すれば指標として登録すことが出来る。このチャートを見ると、BTC下落数日前からショートポジションが急騰する場合があり、「自分のポジションが適しているか?」ある程度判断できる。
一部報道(ブルームバーグ)では、Bitmexのロングポジション解消が相場下落に影響を与えているとの指摘もある。FX取引所の影響で下落しているのか、事前に察知した投資家が仕込んでいるかは不明だが、判断材料の一助としては使える。
今後を予想していくには、2017年に上昇した原因や今後影響する要素に絞って分析することで、上昇局面へと変わるタイミングを推測する必要がる。
2.重要な3つの要素
① マイナーの影響力
マイナーとは、暗号資産をマイニング(採掘)し、報酬で得られたコイン売却することで収益を得ている人達(業者)のことを言う。マイナーとしては、BTC価格が上がるほど売却益は増加し、損益分岐点を割らない限りはBTCを売却するほど儲かる仕組みとなる。マイニングについて知りたい方は、こちらのサイト(Coincheck)を参照するといい。
ではマイナーに必要なランニングコストはどの程度なのだろうか?
マイニングには高性能な演算マシンと、それを動かす膨大な電力が必用となる。装置の原価や電力代を踏まえると、損益分岐点は新型装置で5000ドル(約55万円)、旧型装置では8500ドル(約90万円)とされる[参照]。今回は中央値72万円を損益分岐点とする。当然だが損益分岐点を下回れば、古参のマイニング業者ほどリタイアしていく。
② Hash rate分析
比較する指標としてHash rate(ハッシュレート)を基に仮説を検証していく。ハッシュレートとは採掘スピードを示す指標となり、世界中でマイニングされるほどスコアが高まる。ただし注意するべきなのは、あくまでもHash rate = 採掘スピードであり、マイナーによるBTC供給量ではない。採掘されたBTCがいつ市場に供給(売却)されるかは、マイナーの裁量によるため、ハッシュレートと価格は単純には相関しない[参照]。
2018年の11月以降にBTC価格は損益分岐点である72万円を下回り40万円台となった段階を振り返る。ハッシュレートで確認すると、徐々に下落しているのが分かる。先ほども述べた通り、損益分岐点を下回る場合はマイナーの離脱が始まる。ここは想像でしかないが、マイナーが離脱する際には設備費や電気代などの減価償却のために、保有しているBTCを売却しているものと考えられる。そのため、BTCの下落でマイナー離脱が始まったのと、マイナー離脱により売り圧が高まり下落した現象は同時に起きる。
当時(2018年11月以降)は、価格低迷と共にマイナー数も減少していき、採掘されるBTC量も伸びなくなった時期となった。では、マイナー数が減ると、次にどうなるのだろうか?