就活セクハラを無くせるか?AI面接で本格化する経済格差

AI

3.まとめ (AIマネジメントが生む世界)

 究極的にはAI面接に限らず、各分野のAIマネジメントが双方で情報を共有し始めると、問題がさらに深刻化する。

 特に注意しなければならないのは、信用スコアや個人のDNA情報についてである。

 中国では”芝麻信用(セサミ・クレジット)”と呼ばれる信用スコアが、急速に普及している。信用スコアとは個人のクレジットカードなどの購入情報や金融情報から、個人の信用度をスコアリングしたものになる[図3]。

 企業は融資時にすぐ判断できるため、大変便利なサービスである。しかし弊害として、信用スコアが社会的に普及した中国では、個人間の結婚条件の判断材料にも用られている。つまり収入が低く、信用スコアも低ければ、結婚さえ出来ないという事態に陥る。

図3. 中国の信用スコア (AERA dot)

 また個人のDNA情報についても、個人の能力や将来的な健康状態を判断する材料となり得る。医療では刻々と予防医学の面でDNA分析が進でいる。つい先日には、血液一滴のデータから癌のスクリーニング検査が報道されている(2020年頃サービス開始予定)。

 その反面、犯罪捜査の分野では更に進んでおり、個人的にDNA情報を提供しなくとも「遺伝子系図」だけで、個人をある程度まで特定することが可能だ。実際、アメリカでは犯罪捜査に応用され、米国人の約半数は親族のDNAサンプルから特定できることが論文で発表されている。

 個人情報をアップしなくても家族構成から犯罪歴、親族の社会的ステータスまでが簡単に調べられる。マイノリティーリポート(SF映画 2002年)さながらの世界観がすぐそこに来ている。

 人間社会をAIがマネジメントするほど、中間層という曖昧な存在が消え、より鮮明に「持つ者」「持たざる者」が分かれる格差社会へと移行していく。

 
ベアっち
AIが怖くなってきた!
 
ペン太
あくまでAIも使い方とルール次第だけどね。便利さだけを追い求めれば、そのうち社会問題化するよ
 
ベアっち
日本で実用化されたら、結婚できなくなるかも。。。
 
ペン太
今回はマイナス面を取り上げたけど、プラス面ではAIの婚活マッチングもあるから!
 
ベアっち
それなら心置きなく、ごはん食べれるね!

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