最近、Pay payやLine payなどのデジタル通貨が認知されるようになり、政府主導の”ポイント還元制度”でキャッシュレス化(通貨のデジタル化)が推し進められている。
さらに数年先、「通貨そのものが変わる」と言うと、どう思うだろうか?
今回は、現行通貨の持つ危険性、仮想通貨であるブロックチェーンの優位性について解説していく。
もくじ
1.通貨の歴史
2.ブロックチェーンによるデジタル革命
3.仮想通貨の台頭と歴史的な必然性
1.通貨の歴史
◆ 古代の通貨=ソフトマネー (3000 B.C)
通貨の歴史は古く、古代では物品貨幣とされ物々交換もその一つされていた(物品貨幣) [造幣局] 。歴史の教科書でも見たと思うが、貝殻・石・骨などの物を使用して他の物と交換していた。
つまりルールを決める側(ルールメーカー)が、「今日からこれを通貨や!」と言えば、通貨になるのだ。使う側としては、とても理不尽である。このように権力を持つ政権側が通貨の発行量や規格をコントロールできる通貨をソフトマネー(Soft Money)という[参照]。
また適当に貨幣に似たものを持ってきて細工すれば、容易に偽造可能であることも問題となる。このため偽造しにくい通貨を作ることが次の時代(中世)の課題となる。
◆ 中世の通貨=ハードマネー (600 B.C)
中世となり、金・銀を使用した金属貨幣が使用され始める。この方法により偽造が難しくなった。 鉱物は世界の生産量に左右されるため、政権側の思い通りにコントロールすることが容易には出来なくなる。
特に「金」のように発掘される量が決まっており、地球資源として制限を受ける通貨・資産をハードマネー(Hard Money)という。物品貨幣より優れている通貨であるが、ルールメーカー側としては金属貨幣は製造そのものに膨大な費用が掛かり過ぎること、経済的にも操るのが難しいシステムであることが問題となる。使用する側としても、大金を持ち歩くだけでかなりの重量となるため通貨を使用可能な経済規模に限界を生じる。
ルールメーカー側はコストが安く製造できる通貨を、人々は軽い通貨への移行を期待するようになる。
◆ 現代の通貨=ソフトマネー (1600~)
次の時代では、中央政権や銀行が発行する銀行券(紙幣)へと移行していく。 銀行券発行の歴史は意外と古く、1600年代のヨーロッパでは既に使用が始まる[参照]。
当然ながら人が思い通りに経済をコントロールできる状況は危険でもあるため、大失敗を経験する。ぺぺらと一緒では、分かりやすく大失敗した経済史を紹介してくれている。(当事者たちはマジメに経済を好転させようとするのだが、マジメにとんでもな行動をする…)
世界大恐慌以前は、中央銀行が紙幣の大量発行が出来ないように紙幣=金貨・銀貨と同等の価値としてきた(金本位制)。しかし1929年以降は金本位制が廃止され為替レートが導入されたことで、各国で通貨量をコントロールできるようになる。現在、使用されている通貨は当然ながらソフトマネーとなる。
ただ2007年以降から登場したスマホにより状況が急速に変わっていく。
人々が紙幣よりも軽くて利便性の高い、デジタル通貨を望み始めたからだ。
◆ 将来の通貨=?
近年、デジタル通貨へと移行しつつある。政府が主導しているキャッシュレス化の波もそうだ。あらゆる決済手段は紙幣を取り扱うよりもコストが安く済む、デジタル通貨へと移行していく。
デジタル化で問題となるのが、単純に紙幣をデジタル的な数値にしただけでは、エクセルに数字を入力するのと同じで数値を簡単に変えられることだ。
この問題については解決しようと先人たちが何度も挑んできた。
そして、2009年にデジタル暗号化技術であるブロックチェーンが登場する。
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